肉の種類・部位別カロリーと栄養素を解説!状況別にオススメ肉を選ぼう

肉は、人間にとって身近な食物です。人間が健康を保つために必要な栄養素を、豊富に含んでいる食材であり、日々の食生活に積極的に取り入れたい食材の一つと言って良いでしょう。
一口に肉と言っても、その種類や部位は非常に豊富。このコラムでは、肉の種類別・部位別のカロリーや栄養情報についてお届けします。輸入肉と国産肉の違いや、状況別にオススメの肉も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

牛肉、豚肉、鶏肉の各部位のカロリーと主な栄養素

スーパーなどでも手軽に入手できる肉と言えば、牛肉・豚肉・鶏肉の3種類でしょう。
それぞれの部位別に、カロリーや主な栄養素を解説していきます。

★牛肉

牛肉の主な部位と、それぞれの100g当たりのカロリーは以下の通りです。(※いずれも和牛肉)

かた(脂身付き)258kcal
かた(赤肉)183kcal
かたロース(脂身付き)380kcal
かたロース(赤肉)293kcal
リブロース(脂身付き)514kcal
リブロース(赤肉)395kcal
サーロイン(脂身付き)460kcal
サーロイン(赤肉)294kcal
ばら472kcal
もも(脂身付き)235kcal
もも(赤肉)176kcal
そともも(脂身付き)244kcal
そともも(赤肉)159kcal
ランプ(脂身付き)319kcal
ランプ(赤肉)196kcal
ヒレ207kcal
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より※(1)

カロリーが特に高いのは、リブロースです。牛の背中中央部分にある部位で、霜が入りやすく柔らかいという特徴があります。一方で、肉に含まれる脂肪分が多いため、カロリーも高くなりがちです。

牛肉に含まれる主な栄養素は、たんぱく質と脂質です。もも肉やヒレ肉は、特にたんぱく質を豊富に含んでいて、100グラムあたり19~20グラムほど。脂身付きではなく赤身肉を選択することで、カロリーは控えめに、たんぱく質をより効率良く摂取できます。

豚肉や鶏肉と比較すると、亜鉛や鉄を多く含んでいるのも牛肉の特徴です。ランプの赤肉100グラム中には、鉄が2.9mg、亜鉛が4.9mg含まれています。鉄や亜鉛は、十分に摂取するのが難しい栄養素としても知られていますから、牛肉を上手に取り入れていきましょう。※(2)

★豚肉

豚肉の主な部位と100g当たりのカロリーは以下の通りです。(※いずれも大型種肉)

かた(脂身付き)201kcal
かた(赤肉)114kcal
かたロース(脂身付き)237kcal
かたロース(赤肉)146kcal
ロース(脂身付き)248kcal
ロース(赤肉)140kdal
ばら366kcal
もも(脂身付き)171kcal
もも(赤肉)119kcal
そともも(脂身付き)221kcal
そともも(赤肉)133kcal
ヒレ118kcal
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より※(3)

全体的に、牛肉よりもカロリーが抑えられるのが豚肉の特徴。赤肉を選べば、さらにヘルシーな料理を楽しめるでしょう。

たんぱく質も100グラム中20~25g程度と、豊富に含まれています。

また、豚肉に含まれる栄養素の中で、特徴的なのがビタミンB群です。ヒレ肉は特に栄養豊富で、100g中にビタミンB1が1.32mg、ビタミンB2が0.25mg、ナイアシンが6.9mg、ビタミンB6が0.54mg、ビタミンB12が0.5㎍、葉酸が1㎍含まれています。※(2)

肉類だけではなく、全食品中トップクラスの含有量なので、ぜひ積極的に摂取してみてください。

★鶏肉

鶏肉の主な部位と100g当たりのカロリーは以下の通りです。

手羽(皮つき)182kcal
むね(皮つき)229kcal
むね(皮なし)113kcal
もも(皮つき)234kcal
もも(皮なし)128kcal
ささみ105kcal
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より※(4)

鶏肉をよりヘルシーに摂取したいなら、皮を取り除くのがおすすめです。むね肉ももも肉も、摂取カロリーを約半分にまで減少させられます。

鶏肉も、たんぱく質を豊富に含んでいる食材の一つ。むね肉の皮なし100g中には、24.4gものたんぱく質が含まれています。※(2)

ミネラル類やビタミンB群も、バランスよく含んでいるのが鶏肉の魅力です。

牛肉や豚肉よりも摂取カロリーを減らしつつ、効率良く栄養摂取できるのではないでしょうか。

輸入肉と国産肉の比較

スーパーの食肉売り場を覗いてみると、輸入肉と国産肉があることが分かります。

輸入肉としては、牛肉であればアメリカ産やオーストラリア産、豚肉であればカナダ産、鶏肉の場合はブラジル産やタイ産を目にする機会が多いのではないでしょうか。

輸入肉と国産肉の違いとして、もっとも目につきやすいのが「価格」。輸入肉の方が、国産肉よりも安価に販売されているケースが一般的です。

しかし、輸入肉と国産肉の違いは、これだけではありません。

  • 香り
  • 肉の柔らかさ

これらの点においても、違いがあると言われています。

特に牛肉の場合、国産肉の方が、サシが入りやすく、柔らかくて食べやすいでしょう。

一方で、たんぱく質をより積極的に摂取したいなら、あえて輸入肉を選択するのもおすすめです。同じサーロインの赤身肉でも、国産肉100g中に含まれるたんぱく質量は17.1g。一方で、輸入肉の場合、22.0gにまで上昇します。より効率良く、栄養を摂取できるでしょう。(※2)

ダイエット、疲労回復などにおススメの部位は?

肉類は、部位別に異なる特徴を持っています。スーパーで、つい何気なく手に取りがちですが、ぜひそれぞれの部位の特徴にも注目して選んでみてください。状況別に、おすすめの種類や部位を紹介します。

★ダイエットには脂身の少ない肉を

「ダイエット中に肉は大敵」と思い込んでいる方は決して少なくありません。

しかし実際には、ダイエット中だからこそ、良質なたんぱく質を積極的に摂取したいところです。なぜなら、全身の筋肉量を増やすために、たんぱく質は必要不可欠な栄養素だから。筋肉量が増えれば、代謝量は上がります。太りにくく痩せやすい身体へと近付けていけるのです。

一方で、肉類に多く含まれる脂質については、ダイエット中は極力避けた方が良いでしょう。だからこそ、おすすめは脂身の少ない以下のような部位です。

  • 牛肉(モモ)
  • 牛肉(ヒレ)
  • 豚肉(モモ)
  • 豚肉(ヒレ)
  • 鶏肉(むね・皮なし)
  • 鶏肉(ササミ)

中でもおすすめは、鶏肉のむね肉やササミです。カロリーが低いだけではなく、たんぱく質の吸収をサポートしてくれるビタミンB6が豊富に含まれています。

特に中高年世代は、筋肉量低下による代謝の低下が、体重増加の原因になりやすいと言われています。たんぱく質摂取と適度な運動を組み合わせて、効果的なダイエットを実践しましょう。

★疲労回復にはビタミンB群を

なんとなく疲れが溜まったときに、スタミナが付きそうな肉料理を食べたくなる方は多いのではないでしょうか。こんなときには、ぜひ以下の肉を選んでみてください。

  • 豚肉(ロース)
  • 豚肉(もも)

豚肉に多く含まれているビタミンB1は、体内のエネルギー生成をサポートする役割を担っています。人が疲労感を抱くのは、このエネルギー生成がうまくいっていないため。

疲れているときには、ビタミンB1が大量に消費されてしまうため、さらに悪循環になってしまいがちです。豚肉を摂取して、積極的にビタミンB群を補給しましょう。豚肉の中でも、ロース肉やもも肉は、特にビタミンB1を多く含んでいます。できるだけ赤身肉を選んで食べることで、疲労回復効果を高められるでしょう。

★貧血気味なときには鉄分を

貧血気味なときには、鉄分を多く含む肉を摂取しましょう。鉄分の1日必要摂取量は、成人男性の場合で7~7.5mg、成人女性では6~11mgとなっています。※(5)

サプリメントを取り入れるのも一つの方法ですが、できれば日々の食生活の中で補給したいところ。

以下の肉がオススメです。

  • 牛肉(ヒレ)
  • 牛肉(ランプ)
  • 牛肉(モモ)

いずれも、鉄分含有量が多い部位となっています。

鉄分と言えばレバーという印象も強いですが、実際には、味や臭いに苦手意識を抱いている方も少なくありません。これらの牛肉を上手に取り入れて、効率良く鉄分を摂取していきましょう。

できるだけ、赤身肉を選択するのがオススメです。

種類別・部位別の特徴を知って肉類と上手に付き合おう!

肉の種類については気にしていても、普段から、その部位にまで注目する方は少ないのではないでしょうか。

しかし肉の部位には、それぞれ異なる特徴があります。これらを頭に入れて、今の自分にとって必要な部位を選んでみてはいかがでしょうか。

肉類と上手に付き合うことは、美容やダイエット、長寿にも効果的です。日々の食生活に上手に取り入れて、イキイキとした毎日を目指しましょう。

参考サイト