冷凍した肉を美味しく解凍するための方法は? その時短のコツも紹介

冷凍肉を美味しく食べるために、ポイントとなるのが解凍方法です。どういった解凍方法を選択するかによって、肉の味や食中毒リスクが大きく異なることをご存知ですか?

このコラムでは、冷凍肉の解凍方法について詳しく解説するとともに、素早く解凍したい場合のコツについても紹介します。解凍時の注意点も、ぜひ参考にしてみてください。

冷凍した肉を解凍する2つの方法

冷凍した肉を美味しく解凍するための方法は、以下の2つです。

★冷蔵庫で解凍

誰でも簡単に手間なく実践できるのが、冷蔵庫での自然解凍です。手順はいたってシンプルで、冷凍した肉を冷蔵庫内に移すだけ。そのまま時間が経過するのを待ってください。

冷蔵庫内の温度は、5℃程度です。低温でじっくりと解凍することで、肉全体に温度差が生じにくいという特長があります。そのため肉の細胞が傷つかないので、うま味や栄養がドリップとなって流れ出るのを、防いでくれるでしょう。

冷蔵庫で解凍する場合のコツは、ビニール袋に二重に入れ、その他の食品に付着しないよう注意することです。

解凍までの時間は約10~12時間となりますので、調理する日の朝や前夜に冷凍庫から冷蔵庫へ移しておくと良いでしょう。

★氷水で解凍

精肉店や料理店などで、プロが多く実践しているのが、氷水を使った解凍方法です。こちらもやはり、肉の表面と中心部に、温度差を作らないことがポイント。この方法は肉汁を閉じ込めながら解凍できるため、肉本来のうま味を逃しにくいという特長があります。

氷水を使って解凍する場合、肉を二重にビニール袋に入れて密閉しましょう。大きめのボウルに氷水を用意したら、その中にビニール袋に入れた肉を沈めて解凍させます。

解凍までの時間は約1時間半から3時間程度です。時間の経過とともに氷が解けてしまった場合は、その都度氷を足していきましょう。

意外とやりがち! NG解凍方法は?

では次に、避けたほうが良い解凍方法を紹介していきます。

常温での自然解凍は、ついやってしまいがちですが、実はリスクが高い解凍方法です。肉を冷蔵庫から出しておくだけですから、非常に手軽。

しかし、常温で肉を解凍した場合、表面と内部の温度差が非常に大きくなってしまいます。内部組織は破壊され、ドリップが出やすくなってしまうでしょう。

また、温度が上昇した表面部分では、食中毒菌が繁殖しやすくなってしまうのです。風味は悪くなり、また食中毒リスクが高くなってしまうので、避けたほうが無難です。

冷凍肉をすぐに使いたい! おすすめ時短解凍法

冷凍肉は、冷蔵庫解凍もしくは氷水解凍するのがベストです。

しかし、どちらの方法もある程度時間がかかってしまうもの。できるだけ素早く解凍したいと思ったときは、以下の方法を試してみてください。

上記の2つの方法と比較すると、風味は損なわれるものの、比較的安全に解凍できます。

★流水での解凍

密閉した肉を、流水に浸けて解凍する方法です。必要な時間は、5~7分。水を張ったボウルに肉を入れ、水を流し続けるだけでOKです。

氷水よりも温度が高い分、急激に肉の温度が上昇します。そのためやはりドリップが出やすいものの、解凍ムラは生じにくいでしょう。ただし肉の鮮度は急速に低下するため、できるだけ早く食べきるようにしてください。

5~7分も待てない場合には、ぬるま湯を使う方法があります。ただし、解凍時間は短くなるものの、流水を使った場合よりも、さらにドリップが出やすくなってしまう点は頭に入れておきましょう。

★電子レンジでの解凍

電子レンジには、解凍専用モードが搭載されている機種が少なくありません。解凍時間の目安は、1~4分ほどと、非常にスピーディーです。少しずつ加熱し、様子を見ながら解凍していきましょう。途中で上下をひっくり返すと、解凍ムラが少なくなります。

ただし、急速に熱を加える分、やはり肉へのダメージが大きくなってしまいます。
ドリップが出やすく、風味は損なわれがちです。

★金属鍋での解凍

熱伝導率が高い金属鍋も、肉解凍に使えるアイテムです。密閉されている冷凍肉を、ぬるま湯を入れた金属鍋で溶かしていきましょう。肉は途中で一度ひっくり返し、全体がまんべんなく溶けるように工夫します。薄い板状の冷凍肉を解凍するのに、おすすめです。

解凍する際に気を付けるべき5つのポイント

肉を解凍する際に、気を付けたいポイントは以下の5つです。冷凍肉を美味しく安全に楽しむため、ぜひチェックしてみてください。

★解凍時に流れ出たドリップは素早く取り除くこと

気を付けて解凍しても、肉のドリップがある程度は出てきてしまうもの。ドリップを放置すると、料理の臭みのもとになってしまいます。

また、ドリップから食中毒菌が繁殖する恐れもありますから、できるだけ早期に取り除きましょう。

ドリップに気付いたらすぐに、キッチンペーパーで優しく拭き取ればOKです。これは肉料理を、より美味しく楽しむためのコツと言えるでしょう。

★解凍後の肉は2~3日で使いきろう

解凍した肉は、できるだけ早く使いきるようにしましょう。冷蔵庫や氷水で適切に解凍した肉でも、保存は2~3日が限度です。

その他の方法で解凍した場合、さらに食中毒菌が繁殖しやすい状態になると予想できます。冷凍肉は、使用する分だけを解凍するようにしましょう。

★解凍した肉の再冷凍はできる限り避けよう

解凍した肉の再冷凍は、基本的にはNGです。いったん解凍した肉は、その時点から劣化が進んでいきます。再冷凍すれば、急激に状態が悪化してしまうでしょう。

どうしても再冷凍したい場合は、加熱調理したうえであらためて冷凍するのがおすすめです。その場合も、できる限り早く食べきってください。

★完全解凍の直前がベスト

冷凍肉は、完全に軟らかくなる前の、半解凍の状態で調理するがベストです。この状態ならドリップは出ていませんし、切ったり分けたりする作業が楽にできます。肉の状態を見ながら、解凍し過ぎないように注意しましょう。

★調理前には常温に戻すのがおすすめ

いずれかの方法で解凍した肉は、調理前に室温に戻しておくことをおすすめします。解凍し終わった肉を冷蔵庫から出し、30分程度置いておきましょう。室温と馴染んだ状態から加熱調理をスタートすることで、内側まで均等に火が通りやすくなります。

冷凍肉は適切な方法で解凍し、美味しく調理を

冷凍肉の解凍方法で、もっとも避けるべきことは、「冷蔵庫から出した状態で常温解凍する」という方法です。風味が損なわれるだけではなく、食中毒になる恐れもありますから、注意してください。

できる限り低温で、じっくり時間をかけて解凍するのが理想ですが、時短解凍方法もいくつかあります。

今回紹介した情報を参考にしつつ、肉をできるだけ安全に美味しく調理できる解凍方法を選択しましょう。

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